文部科学省委託事業 |
・いじめ対策等生徒指導推進事業:脳科学・精神医学・心理学等と学校教育の連携の在り方
第一期 平成27(2015)年度〜令和1(2019)年度
第二期 令和2(2020)年度〜令和6(2024)年度
通称:子どもみんなプロジェクト
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不登校、いじめなど、子どもの問題を、こころの発達の視点から解決する
教育の問題は、私たちの未来
子どもと先生を支える、全員参加のプロジェクト
子どものこころの発達を『見続ける』
不登校、いじめ、暴言暴力、キレる子ども、非行など
子どもの問題は、どんな環境で、どんな風に起こっているのだろう?
教育現場で起こっている子どもの問題について、その数だけでなく、背景、原因、子どものこころの発達との関連などについて、継続的に情報を収集します。
それらの情報について検討会を、教育者と研究者で定期的に開催します。
子どものこころの発達を『知る』
子どもの問題はどんな仕組みで引き起こされるのだろうか?
どういう子どものリスクが高く、どんな支援に効果があるのだろうか?
情動の爆発的な表出にどのように対応するのか、内在化したストレスをどのように把握し対応するのかという問題は、教育現場の喫緊の課題となっています。教育現場に蓄積された実践知を収集し、その基礎にある仕組みを解明するための研究を推進します。
収集したデータを、個人情報、倫理問題に配慮した上で、研究者に公開し、子どもの情動発達に関する研究、教育現場の様々な取組の効果の検証を進め、より良い教育実践を広げます。
子どものこころの発達を『支える』
具体的には、どんな教育、支援をすればいいのだろうか?
今の学校、先生たちの良さを最大限に活かす方法とは何だろうか?
これまでの基礎的研究を、教育現場で活かせる具体的な手法に落とし込むことで、科学的根拠のある支援プログラム、教材、教員研修プログラムの開発を行います。
子ども一人一人の情動行動を継続的にとらえることにより、問題行動に対して予防的に働きかけることができる仕組みを創発します。
教員、支援者が、科学的根拠のある情報に、簡単にアクセスし、研修できる仕組みを作ります。
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<研究の目的>
本研究は、第一期に大阪大学、第二期に千葉大学を基幹大学として、弘前大学、浜松医科大学、金沢大学、福井大学、鳥取大学、兵庫教育大学、中京大学、そして武庫川女子大学の10大学からなる大学コンソーシアムと青森県、千葉県、静岡県、石川県、大阪府、兵庫県、福井県、鳥取県、千葉市、浜松市、磐田市、池田市、大府市、館山市、柏市、そして西宮市の連携教育委員会からなる、教育実践活動を中心とした、子どもの発達支援に係る取り組みである。
武庫川女子大学教育研究所・子ども発達科学研究センターでは、これまで西宮市教育委員会との連携事業として、1小学校とそれと接続する1中学校の全児童生徒の追跡調査を進めてきた。今回の子どもみんなプロジェクトの取り組みでは、JST時代から培われてきた追跡調査のノウハウと、学校において子ども一人ひとりをみまもるための取り組み経験を活かして、子どものこころの発達を定点観測するための指標つくりと測定方法を開発することが目的となっている。
このような基礎的研究と同時に、子どもの育ちと学び、支援の在り方についての公開講座やシンポジウムの開催を進めている。
<方法>
この取り組みでは、子どもの問題がどのような仕組みで起きるのかを、子どもたちの学級内での人間関係と一人ひとりの子どもが持っているレジリエンス(自己回復力)を指標として追跡してゆく。調査は倫理審査を受けた後、教育委員会、学校関係者への説明と同意によって進められる。また、データは学校内で処理を行い、分析に際しては連結不可能な二重匿名化により個人情報の保護を行っている。
<各大学の連携>
大学コンソーシアムの各大学はそれぞれ、生物学的な要因から社会的要因まで得意とする分野を持ち、それらの知見とノウハウを共有することによって、子どもたちの発達過程を解明しようとしている。これらの知見は、信頼性や妥当性を確認された後、教員や支援者に提供されることになっている。
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