研究活動
文部科学省・日本学術振興会 科学研究費助成事業
・「乳幼児期の個体・環境要因と児童期の社会的行動の生物学的基盤についてのコホート研究
(基盤研究(B)研究課題番号15H03453)」平成27(2015)年度〜平成29(2017)年度
通称:『すくすくコホート三重』『武庫川チャイルドスタディ』 

・「乳幼児の個体・環境要因が児童期の社会的行動に及ぼす影響についてのコホート研究
(基盤研究(A)研究課題番号21243039)」平成21(2009)年度〜平成25(2013)年度
通称:『すくすくコホート三重』『武庫川チャイルドスタディ』 

<はじめに>

平成16(2004)年度から平成20(2008)年度に行われた、独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST)「脳科学と社会」研究開発領域 計画型研究開発「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」 通称:『すくすくコホート』“Japan Children’s Study(JCS)”を引き継ぎ、平成21(2009)年度から平成25(2013)年度には、文部科学省・日本学術振興会科学研究費助成事業「乳幼児の個体・環境要因が児童期の社会的行動に及ぼす影響についてのコホート研究(基盤研究(A)研究科外番号21243039)」でこれまでに追跡されてきた三重県津市と兵庫県西宮市の子どもたちに関してさらに5年間の追跡研究を行った。その後、平成27(2015)年より3年間の予定で、文部科学省・日本学術振興会科学研究費助成事業「乳幼児の個体・環境要因と児童期の社会的行動の生物学的基盤についてのコホート研究(基盤研究(B)研究科外番号15H03453)」として研究計画が認められた。これによって乳幼児期〜学童期までの発達を追跡することとなり、誕生から小学校高学年まで子どもの成長を追跡するという長期研究になっている。



<研究の目的> 

武庫川女子大学教育研究所・子ども発達学研究センターでは、広く子どもの発達過程についての研究を進めている。科学研究費助成事業 (A)(B)として進められているコホート研究は、学童期の社会性が子どもの持つ生物学的要因と子どもを取り囲む社会的要因がどのように関係しているのかを解明しようとするものである。

子どもの発達は、生物学的に規定されている部分と、言語や社会的役割行動といった子どもを取り巻く社会的な環境により規定される大きく2つの要因から成り立っていると考えられている。これらは相互に関係しあっており、その相互関係の解明が求められてきた。

このような関係性を明らかにするためには、一人ひとりの協力者を誕生時から追跡することが必要になる。私たちの研究の目的は、学童期における社会性をゴールとして、子どもの発達過程を追跡することによって、社会性がどのような仕組みで作りあげられるのかを解明することにある。



<方法>

現現在協力者の多くは小学校の中学年から高学年に達している。この子どもたちは、乳幼児期から追跡研究の協力者として今日に至っている。乳幼児期における観察には、以下のように特段の配慮がなされ、負荷がかからない記録環境がつくられていた。観察調査を行う観察室は、小学校に入学した後も使われたため、子どもたちには思い出深い部屋となり、観察調査のときは懐かしそうに見回す子ども達もいる。

観察室は、教育研究所5階に設置され、クッション性の高い防炎マットや、カーテンで内装されている。ビデオカメラ6台と、モーションキャプチャーシステムによる機械的な記録を可能にしているだけでなく、マジックミラー2面による直接観察も可能になっている。部屋は3.72m四方で防音となっており、室内は子ども用の家具なども設置され、大きな違和感がないように工夫されている。乳児観察の場合には、おむつ交換なども可能なスペースが設けられていた。



<研究協力者のリクルート>

平成19年度に『すくすくコホート』“Japan Children’s Study”の一環として、兵庫県西宮市では『武庫川チャイルドスタディ』という子どもたちのコホート研究を立ち上げた。本研究を立ち上げるにあたっては、自治体の理解と協力を得て、地域に根差した研究組織体制を構築することが必要であり、西宮市保健所へのリクルート協力要請を行った。リクルートには、西宮市保健所の協力を得て、市の乳幼児健診や予防接種時にリクルート活動を行う許可を取った。



<リクルート率と研究協力者維持率>

『武庫川チャイルドスタディ』では配付した案内状をもとに資料請求いただいた100名強のうち、初回の調査へ実際に参加いただいたのが約60名であった。

西宮市は関西のベットタウンとも謳われる都市部の街である。協力いただいている家庭は、転勤による転出がもともと多い地域で、年度を追うごとに5名程度の転出者がやむなく出た。平成25年度には当初の2/3程度まで維持率が落ち込んでいる。研究離脱した大部分はこのような転出によるもので、次いで下の兄弟が産まれ大学まで足を運ぶことができない等の理由によるものである(なお、近隣への転出の場合には可能な限り参加いただき、遠方の場合は質問票のみの研究協力をお願いしている)。



<観察の実施>

観察は乳児期において年に2回程度実施(4ケ月・9ヶ月・13ヶ月・18ヶ月)、幼児期には1年〜1年半ごとに1回実施(2歳半・3歳半・5歳・6歳)、学童期には小学2年時にWISCと観察を実施するかたちでお願いしている。協力者への情報発信や研究継続の観点から、「すくすくコホートニューズレター」を年1回程度発行し各家庭へ郵送している。

観察スケジュールは以下のとおりである。

すくすくコホート三重 すくすくコホート三重(NICU) 武庫川チャイルドスタディ
4ヶ月
9ヶ月
18ヶ月
2歳半
3歳半
5歳
6歳
小学1年(6月・11月)※質問票調査のみ
小学2年
4ヶ月
9ヶ月
18ヶ月
2歳半
3歳半
5歳
6歳
4ヶ月
9ヶ月  13か月※オプション
18ヶ月
2歳半
3歳半
5歳
6歳
小学1年(6月・11月)※質問票調査のみ
小学2年 ※オプション だ液調査
小学3年 ※質問票調査のみ
小学4年 ※質問票調査のみ
小学5年 ※質問票調査のみ ※オプション だ液調査(郵送)
小学6年 ※質問票調査のみ
小学3年 ※質問票調査のみ
小学4年 ※オプション だ液調査
小学5年



<協力者の維持のための工夫>

長期的な研究であるため、協力者に長い期間にわたり参加協力いただくことはたいへん重要である。『武庫川チャイルドスタディ』では協力者維持のためには様々な工夫を行った。まず、就労している母親でも無理なく来ることのできる日時を調整するため、土曜日(場合によっては休日)の観察予約を可能にするようスタッフのスケジュール調整をしている。また、同行の幼い兄弟がいる場合にはシッター役のスタッフを配置する。父親や祖父母等の同伴時には参加意識を持ってもらえるように努めている。また、観察に参加していただいた際は、毎回、対象年齢に適した絵本やおもちゃなどの記念品を差し上げている。



<予算・研究体制>

平成16(2004)年度から平成20年度に行われた、独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST)「脳科学と社会」研究開発領域 計画型研究開発「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」通称:『すくすくコホート』“Japan Children’s Study(JCS)”を元に継続するかたちで、平成21年度から5年間は、文部科学省・日本学術振興会 科学研究費助成事業「乳幼児の個体・環境要因が児童期の社会的行動に及ぼす影響についてのコホート研究(基盤研究(A)研究課題番号21243039)」として、平成27(2015)年度から3年間は、「乳幼児期の個体・環境要因と児童期の社会的行動の生物学的基盤についてのコホート研究(基盤研究(B)研究課題番号15H03453)」として研究助成をいただき、これまでの研究体制を維持し研究を継続している。

また、平成26年度には大学研究所経費として「西宮市における発達コホート研究」の題目で予算をいただいて研究を継続している。

連携


<国際評価>(PDF)

平成28(2016)年度に武庫川女子大学子ども発達科学研究センターで開催された本研究の全体検討会において、オランダ・フリー大学スポーツ行動科学部のサフェルスバーグ教授をゲストアドバイザーとして迎え、研究の国際評価をいただいた。


<すくすくコホートニューズレター>(PDF)

おもに研究協力者への情報発信と研究継続促進を目的として年に2回ニューズレターを発行しています。

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